茅葺き民家伝承の意義と対策
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岩手で茅葺き技術の伝承を
促進する委員会事務局
代表  吉岡  裕  副代表  戸田忠祐


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岩手茅葺き促進委員会の成り立ち


岩手に縁のあった代表の吉岡は、昭和45年(1970年)、いまは盛岡市に合併した旧都南村乙部の藤原常孝さんから、建替えのために不要となった居宅の南部曲り家(鞘屋敷)を無償で譲り受け、岩手山麓の滝沢村大石渡に移築し、今日まで維持してきました。

1996年頃、この家の茅葺き屋根の補修を手がけてもらっていた日野杉栄棟梁(盛岡市玉山区日戸)が老齢のため引退するという話が持ち上がりました。後継者もおらず、この辺には茅葺きの出来る人は一人もいないと言う話です。岩手から伝統的茅葺技術が消滅しかけていることにはじめて気づきました。また屋根葺き材料の茅(ススキ)を生産する茅場もなくなり、茅の入手もむつかしいと知りました。これは何とかしないといけないとの危機感を覚えました。そこから、この活動をはじめました。
 何をすればよいか。まず、岩手の伝統的茅葺き技術を映像に記録しておく、つまり、現役の日野杉棟梁の茅葺き作業をビデオにとっておくことだと考え、東京のある財団から補助金をもらい、1年がかりで盛岡のプロの手でビデオ「岩手のかやぶき」(日英語版)を制作し、関係方面へ配布しました(1998年)。その過程で、茅葺きについて多くのことを学びました。
 しかし、ビデオは出来ましたが、これで茅も茅葺職人が出てくるわけではありません。また茅の生産がはじまるわけでもありません。なにか今日風の仕組みをつくらなければなりません。しかし、そうした実際の仕事は一人では出来ないので、一緒になってやる仲間が必要です。そこから仲間探しをはじめましたが、この仕事は無償のボランテイア活動ですから、目的に共鳴して自発的に動いてくれる人が必要です。それに、目的が具体的に限られているので、大勢の人では足手まといになるばかりですから、少数精鋭主義が望ましいのです。
 そのため、吉岡の個人的な付き合いを通じて、専門的知識や経験をもった同志が少しづつ加わり、メンバーの数は10名程度になりました。顔見知りの人間関係を基礎にしたNPOグループですから、組織運営などに気を使う必要のない、気ままな草の根運動が始まりました。グループの名は「岩手で茅葺き技術の伝承を促進する委員会」(略称「岩手茅葺き促進委員会」)という目的のはっきりした名前にしました。また委員会の外で協力してくれる協力会員も数人できました。
 こうした運動を進めるうちに行政との関係も生まれるようになり、信用を高めるためには法人にした方がよいと勧められて、制度発足後間もない「特定非営利活動法人」の申請をし、岩手県知事の認証を受けました(2001年)。
 以上が私ども特定非営利活動法人岩手で茅葺き技術の伝承を促進する委員会の成り立ちです。